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2025.11.07
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第二回 偏光顕微鏡によるアスベスト定性分析

― ステップ②〜④ 技術的判別要点 ―

② 色・多色性(オープンニコル)

観察条件:光源と試料間に偏光板 1 枚(オープンニコル)
観察対象:繊維固有の色調

種類

代表色調

特記事項

クリソタイル

白系

アモサイト

茶系

クロシドライト

青系

多色性あり(南北/東西で異色調)

※特にクロシドライトは、視野方向で顕著な色変化(多色性)が発現する。

③ 複屈折(クロスニコル)

観察条件:試料前後に偏光板を 1 枚ずつ(クロスニコル)
観察対象:干渉色の強弱
※繊維軸を視野内 45° に傾斜させた状態での比較

種類

複屈折レベル

太さ変化に伴う干渉色変化

クリソタイル

灰色 → 白色

アモサイト等

白色 → 輝度高い白

④ 消光特性(クロスニコル)

観察条件:試料前後に偏光板を 1 枚ずつ(クロスニコル)
観察対象:干渉色が消える挙動(=消光)

  • 複屈折観察(45°)から、0°/90°に繊維軸を戻した際
     光路が遮断され 消光 する
  • 一般に 直消光 が基本
  • 一部繊維では 斜消光 を示す例も存在

※上記 ②〜④は、最終的な**定性判定(種類同定)**において「組み合わせで総合評価」することが前提
(単一特性での断定は不可)